2009年2月3日火曜日

椋のホームページが開設されました


立春大吉。


これまでブログでお知らせしてきた情報をより充実させ、新しい椋のホームページでお知らせいたします。

どうぞアクセスしてください。




椋26号は2月5日発行です。

会員の皆様、購読者の皆様、お手元に届くまで今しばらくお待ち下さい。


2009年1月6日火曜日

椋会員の作品


お知らせが遅れてしまいましたが、『俳句』11月号「17字の冒険者」には、樹花集の小関菜都子さんの作品・「待つてゐる」、八句が掲載され、多くの結社誌などに取り上げられています。


また、今年の『俳句』二月号の同欄に、やはり樹花集の、溝上幾久子さんの作品も掲載されます。どうぞお楽しみに。

2008年12月5日金曜日

椋25号


忘れもの
           石田郷子

雀蛤となりけりちゆと鳴いて
手を伸べて野葡萄のまだ淡き色
煙突も見返るものの一つ秋
木犀の香を振りかへり振りかへり
悲しげな犬の貌ゆく蘆の花
秋の日に焦げたる腕をさすりけり
初鴨を見て歳時記の忘れもの
塩振つて飯かがやきぬ十三夜
錦秋の二階のこゑのよく笑ふ
隠れ住むごとくに熟柿食みつくす






椋アンソロジー   石田郷子編

一卓は海のごとしや檸檬置く  柚子谷イネ
はつ秋のコンドル卵抱いてをり  林 のあ
小鳥来る小石は君の宝物  森 日雀
生き甲斐の俳句不出来や日々草  渡辺しきぶ
ぎいと尾長沼杉の空澄みにけり  みかん
醒が井の藻のふつさりと野分あと  対中いずみ
ブルーベリー入れし袋の曇りかな  山田絵利子
黒ぶだう食む唇のまんまるき  北川比沙子
すれ違ふもの秋風の中の蝶  セキレイ
秋蝶の蛇の目の翅をひらきけり  境野大波
をんなふと背中を掻けり秋の蝶  小林木造
飛行機のごとき影置く鬼蜻蜒  土門きくゑ
ひかりから眼を庇ふなり白芙蓉  田中美雨
花芙蓉うたた寝したりめづらしく  岡村潤一
蓼の花風を大きく入れにけり  小林すみれ
荻の声一人になれば溺れけり  海津篤子
曼珠沙華鋼のごとき蕊開く  鴨志田百代
楢の実の青きを投げてゆきしかな  亀井千代志
残しおく明日の色の烏瓜   田野いなご
ゆらゆらと雨脚見ゆる烏瓜  小椋 螢
罅割れの土黒々と稲の花  安藤恭子
車椅子稲の穂波に迎へられ  近藤あかね
絵馬札の犇めく田水落しけり  こうだなゑ
秋の日の坂を照らして静かなり  井上和佳子
舟べりの水なみなみと昼の虫  福田うずら
父親の胸板厚き鉦叩  井関雅吉
きりぎりす啼きつ啼きつつ啼きぬれし  石田京愛
落鮎の旅の終りを飾りたし  高橋よし
大芭蕉生きてゐしかば対ひ合ふ  高橋 梓
音もなく芭蕉の破れはじめけり  宇野恭子
歌よみの吾は端くれ破芭蕉  立本美知代
湯上りの妻あたらしや後の月  小川 久
燈火親し長寿祝の礼を書く  松本フミエ
秋沒日わが影猿にさも似たり  Aki
石ひとつ祀るゆたかさ秋茜  橋本シゲ子
柿紅葉ふと散りて止む日差しかな  川島 葵
行く秋の朝の灯を点けにけり  小関菜都子
落葉踏む昨日の音の中へ中へ  柿崎理恵
隠れ住むごとくに熟柿食みつくす  石田郷子


「椋」25号は12月5日に発行されました。


この号では、句集大特集を組みました。

どうぞご高覧下さい。






総合誌、年鑑など会員の活動

『俳句研究』の最新号、冬の号には「椋」の誌友が寄稿しています。
エッセイ「冬芽」のページに、境野大波さんの「詩と俳句の間」、
「第一句集自選八句」には、高橋白崔さんの『清拭』、
石田は小川軽舟さんの句集鑑賞を書きました。
また、作品五句欄に、大波さん、対中いずみさん、石田の三人の作品も掲載されています。
この本は通信販売のみですので、「椋」最新号の広告をご覧下さい。

『俳句』『俳句研究』の年鑑もまもなく発売されます。
対中いずみさん、石田も作品展望などを執筆しました。「椋」も紹介されていますので、ぜひご覧下さい。

『俳句』の連載エッセイ「俳句日和」は、石田が文章、小林木造さんがイラストを担当しています。この連載は好評のため(??)来年も続きますので、どうぞご覧下さい。

2008年10月26日日曜日

句集『草に花』

対中いずみさんが川島葵さんの句集『草に花』の書評を書かれました。
ぜひご覧下さい。
http://weekly-haiku.blogspot.com/

2008年10月18日土曜日

第24号


馬上盃
         石田郷子
軽鳧の子の貌ほのぼのと連ねゆく
西日浴ぶ鳩に好かれてゐる人と
一心にはたらいてをり扇風機
ふにやふにやに赤児の睡る白木槿
水打ちてくるる大きな眸かな
八月や地を擦つてゆく蜂の脚
土埃たてて男の子や稲の花
秋蝉のとぶびしびしとぶつかつて
馬上盃とふ秋の日にかたむけて
とんばうの傾くことよ谷ッの風



椋アンソロジー

海山へ行かず箱庭灯しけり  佐藤千絵
箱庭の水辺に我を置きにけり  川島 葵
盆景の月照る海を賜りぬ  田辺芳江
河骨に木槌のやうな潮の風  土門きくゑ
深川は父のふる里濃紫陽花  日余子
ビニールの中の夕刊濃紫陽花  後閑達雄
汝が言ひし螢日和とはまさに  Aki
あぢさゐもランタナも珠夕晴間  小林木造
包丁に種こぼしたる真桑かな  亀井千代志
地図とぢて人に道きく薯の花  大山和子
滝道の木洩れ日を踏むばかりなり  対中いずみ
さはさはと滴る山となりにけり  小林すみれ
合歓の花日のほとばしるところあり  岡村潤一
蜘蛛の巣や傘のしづくのどつと落ち  立本美知代
雲の端に風の立ちたる囮鮎  こうだなゑ
叩かれて大地の唸る大夕立  ともたけりつ子
鰻食ふズボンの丈の短くて  林 のあ
天牛の震へ極まり発ちにけり  柿崎理恵
甚平着て気まま許され居りしかな  松本フミエ
みづうみのこだましてゐる浴衣かな  小椋 螢
寝冷してマリア・カラスの痛いほど  海津篤子
打水や桶と柄杓のまさらなる  横下たまご
蛇の衣一期一会の飯をつぐ  藤井紀子
紙魚ひとつ幾十年棲む処なし  柚子
生国のはるかや胡瓜丸かじり  高橋 梓
少年の力点に置く青林檎  藤田ありこ
父の忌や炎天の空ありしこと  森本和子
暗がりに目の慣れてきて蝉涼し  高橋白崔
母許といふ涼しさのありにけり  北川比沙子
草の風日傘浮かしてをりにけり  宇野恭子
お社に灯のある田水沸きにけり  田中英花
雲の峰たちまち乾く浜のもの  星野 繭
命日の過ぎしおはぐろとんぼかな  境野大波
原爆忌雲のくづれを見てをりぬ  かすみ
ひとすぢの風あり誰か秋といふ  岩崎裕子
鳥高く雲高く秋はじまりぬ  柚子谷イネ
初秋の草刈り飛ばす古墳かな  安藤恭子
唐黍や美僧となりし茶髪の子  市川 圭
灯火親し写真の裏に母の文字  田野いなご
馬上盃とふ秋の日にかたむけて  石田郷子


椋24号は10月5日に発行されました。




2008年9月25日木曜日

椋叢書三冊刊行のお知らせ

この九月に、椋叢書として三冊の句集が刊行されます。

『清拭』高橋白崔
『朝餐(ちょうさん)』安藤恭子
『草に花』川島 葵

興味のある方はこちらをどうぞ
http://furansudo.com/