この九月に、椋叢書として三冊の句集が刊行されます。
『清拭』高橋白崔
『朝餐(ちょうさん)』安藤恭子
『草に花』川島 葵
興味のある方はこちらをどうぞ
http://furansudo.com/
2008年9月25日木曜日
2008年9月11日木曜日
椋23号
明眸
石田郷子
泉までさびしき人を連れてゆく
薔薇ひらきけり甦るものとして
片腕に赤子抱きゆく青嵐
金魚の目ふはふは移りゆきにけり
Mさん 二句
明眸の滝に打たれにゆくといふ
前世も淋しかりしと夏帽子
お下げ髪ねむる紫陽花電車かな
栗の花目に雨粒の飛び込んで
杉山のすらりすらりと蛍狩
明易の湯宿に大き忘れもの
石田郷子
泉までさびしき人を連れてゆく
薔薇ひらきけり甦るものとして
片腕に赤子抱きゆく青嵐
金魚の目ふはふは移りゆきにけり
Mさん 二句
明眸の滝に打たれにゆくといふ
前世も淋しかりしと夏帽子
お下げ髪ねむる紫陽花電車かな
栗の花目に雨粒の飛び込んで
杉山のすらりすらりと蛍狩
明易の湯宿に大き忘れもの
椋アンソロジー
硝子戸に樺の影落つ雪の果 柿崎理恵
だんだんに耳の開いて百千鳥 林 のあ
熊ん蜂多羅の花をばわしづかみ 清水冬芽
弁当の箸で摘みし落花かな 藤田ありこ
藤棚をつらぬく雨となりにけり 小林木造
雛罌粟にわれのむつつりしてゐたる 亀井千代志
豆御飯ふたつの貌を持ちて棲む かすみ
母の日の母に介抱されてをり 深村清美
かにかくに大輪の薔薇崩れけり 守屋さつき
いななきの夕べはさみし袋掛 藤井紀子
麦秋が好きと答へし人の亡く 小川 久
柿の花こぼるる外のなき如く 相羽英治
今年竹風を切つては輝いて 髙橋白崔
一頭の蛾が声を出す青葉山 海津篤子
菓子の箱うつくしかりし新茶かな 福田うずら
安曇野のあかとき冷ゆる針槐 対中いずみ
この川の静かに濁る針塊 柚子谷イネ
一杓のびつくり水や走り梅雨 こうだなゑ
三時草咲くころ会の果つるころ 立本美知代
更科や三日月ほどの田を植ゑて 星野 繭
三味線の糸ひとつ撥ね梅は実に かやと
梅干してある縁側に父の客 小椋 螢
雨脚をうかがふ顔や梅漬けて 安藤恭子
濃紫陽花ぱちんと雨の弾かるる ともたけりつ子
梔子やひと降りに人ゐなくなる 小関菜都子
梅雨寒の川は流れてゆきにけり 小林すみれ
われ責むるものを流せり夏の川 岡村潤一
目薬の一滴まぶし太宰の忌 田野いなご
六月の闇を祀れる社かな 境野大波
時鳥ともにさみしき窓明り 市川 圭
郭公や帽子に白い花を挿し 橋本シゲ子
夏帽子イネ科カヤ属花満てり 高橋 梓
あの大き森のみどりに入りゆかな 田中遥子
言の葉をつよく放ちし土用波 宇野恭子
夕凪やますます椰子の伸びあがる 今田宗男
山城は山に戻りぬ夏の雲 松村 實
夏の雲アインシュタイン舌出して あさぎ
雪渓の窓の大きな朝餉かな 井上和佳子
善光寺平の風や三尺寝 Aki
炎昼の咀嚼重機やルリハムシ 石田太郎
蛇泳ぐ頭の一点の光りけり 岩崎裕子
莢の豆弾け飛んだる大雷雨 北川比沙子
湧き出づる泉の底の玉の石 廣岡大子
樫の花椎の花咲く泉かな 川島 葵
泉までさびしき人を連れてゆく 石田郷子
硝子戸に樺の影落つ雪の果 柿崎理恵
だんだんに耳の開いて百千鳥 林 のあ
熊ん蜂多羅の花をばわしづかみ 清水冬芽
弁当の箸で摘みし落花かな 藤田ありこ
藤棚をつらぬく雨となりにけり 小林木造
雛罌粟にわれのむつつりしてゐたる 亀井千代志
豆御飯ふたつの貌を持ちて棲む かすみ
母の日の母に介抱されてをり 深村清美
かにかくに大輪の薔薇崩れけり 守屋さつき
いななきの夕べはさみし袋掛 藤井紀子
麦秋が好きと答へし人の亡く 小川 久
柿の花こぼるる外のなき如く 相羽英治
今年竹風を切つては輝いて 髙橋白崔
一頭の蛾が声を出す青葉山 海津篤子
菓子の箱うつくしかりし新茶かな 福田うずら
安曇野のあかとき冷ゆる針槐 対中いずみ
この川の静かに濁る針塊 柚子谷イネ
一杓のびつくり水や走り梅雨 こうだなゑ
三時草咲くころ会の果つるころ 立本美知代
更科や三日月ほどの田を植ゑて 星野 繭
三味線の糸ひとつ撥ね梅は実に かやと
梅干してある縁側に父の客 小椋 螢
雨脚をうかがふ顔や梅漬けて 安藤恭子
濃紫陽花ぱちんと雨の弾かるる ともたけりつ子
梔子やひと降りに人ゐなくなる 小関菜都子
梅雨寒の川は流れてゆきにけり 小林すみれ
われ責むるものを流せり夏の川 岡村潤一
目薬の一滴まぶし太宰の忌 田野いなご
六月の闇を祀れる社かな 境野大波
時鳥ともにさみしき窓明り 市川 圭
郭公や帽子に白い花を挿し 橋本シゲ子
夏帽子イネ科カヤ属花満てり 高橋 梓
あの大き森のみどりに入りゆかな 田中遥子
言の葉をつよく放ちし土用波 宇野恭子
夕凪やますます椰子の伸びあがる 今田宗男
山城は山に戻りぬ夏の雲 松村 實
夏の雲アインシュタイン舌出して あさぎ
雪渓の窓の大きな朝餉かな 井上和佳子
善光寺平の風や三尺寝 Aki
炎昼の咀嚼重機やルリハムシ 石田太郎
蛇泳ぐ頭の一点の光りけり 岩崎裕子
莢の豆弾け飛んだる大雷雨 北川比沙子
湧き出づる泉の底の玉の石 廣岡大子
樫の花椎の花咲く泉かな 川島 葵
泉までさびしき人を連れてゆく 石田郷子
☆「椋」23号は八月五日に発行されました。
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